50代からの新NISA制度の始め方
2024年スタートの新NISA制度。中高年の方、今から20年、シニア世代も始めてもいいんでしょうか。50代からの投資プラン、どのように考えるといいんでしょうか。高齢の人は投資に対する壁が厚いですよね。40代、30代の方もご両親にNISAなどを進めるにはどうすればいいか心配ですよね。元金融庁の塚本俊太郎さんに聞いてみましょう。金融教育家の方です。これからの新NISAです。家族構成によって投資のやり方を変えましょうという話でしたが、今回は50代からの投資プランです。
人生100年時代 50代はまだ折り返し点
今、人生100年時代ですので、まだ折り返し点です。どうすればいいんでしょうか。
いつから取り崩すのか、いくら取り崩すのかから逆算する
重要なのはいつから取り崩すのか、いくら取り崩すのかということを考えながら計画していきます。
まずは老後に必要なお金を把握する
「いつ」を考えるポイントは2つあります。まずは老後に必要なお金を把握しましょう。必要になりそうなお金、生活費、医療費、子供の教育費、などがありますよね。
突発的な支出と予測できる支出に分ける
これらを突発的な支出と予測できる支出を振り分けます。生活費や子供の教育費は比較的計画しやすいですよね。一方、医療費は病気になった時など突発的な内容です。子供の結婚もちょっと分かりませんよね。
例えば、そういった突発的な支出の時に取り崩すと考えておくといいかもしれません。それまでにお金を準備しましょう。
将来、受け取れる年金の受給額を計算する
また、将来、受け取れる年金の受給額を計算しましょう。これは今からでも知ることができます。
年金定期便や年金ネットで確認する
年金定期便があると思います。60歳まで保険料を支払う想定で算出していますが、今は65歳まで保険料を支払うことができます。50歳ぐらいからだとかなり正確な現実的な数値になります。年金ネットでも知ることができます。
生活費との差額を受け取れる額で運用しながら取り崩していくことを考えましょう。
年金の受給開始年齢は原則65歳
年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、繰り上げ受給、65歳よりも早める、60歳から受け取るといったことをすると減額になります。一方、65歳から75歳まで繰り下げ受給することができます。そうするとどんどん増額していきます。
何歳まで働くかを考えてシミュレーションする
まず、何歳まで働くかを考えてシミュレーションするといいです。今、60歳で完全にリタイアしてしまうという人は少ないですよね。年金で足りない分をカバーしましょう。
労働収入がなくなった時には減らさないことを重視する
また、労働収入がある時は高い利回りの期待できる新NISAの外国株などで増やすことを考えてもいいでしょう。しかし、労働収入がなくなった時には減らさないことを考えます。
労働収入がなくなった段階で商品を見直しましょう。
様々な資産の年間の値動きの想定を比較する
GPIFの基本ポートフォリオの考え方を中心に考えましょう。例えば、様々な資産の年間の値動きの想定を比較しましょう。
- 海外株式だとプラスからマイナスまで幅が広いです。平均では7.2%と見られていますが、最大でマイナス17.65%減る可能性がリスクがあります。
- 国内株式も平均の利回りが5.6%、値動きが5.6%と想定されていますが、最大でマイナス17.54%減るリスクがあります。
- 一方、外国債券は年間の値動き、平均で2.6%と予想されていますが、最大でマイナス9.27%減るリスクがあります。
- それに対して、普通預金は平均0.001%しか増えませんが、リスクはありません。
- また、国内債券も平均0.7%の値動きの予想ですが、マイナス1.86%の資産が減るリスクがあります。
働いている間は7.2%を期待してフル活用してもいいんですが、収入が無くなったら自分の資産が減らないことを重視して、普通預金や債券の配分を多くします。
例えば7.2%の半分ぐらい、3.6%ぐらいを目標に運用ができるといいですね。
例えば50%普通預金、海外債券を50%
50%普通預金、海外債券を50%という風に考えるといいです。これまで株式100%だったものをリスクの小さいものを50%にして安全資産を50%にするといった変更が必要です。
年齢に応じた株式比率にする
年齢に応じた株式比率にするということです。
例えば50歳なら100-50で株式比率を決めます。70歳なら100-70で株式30%という風に1年足すごとに株式の比率を減らして値動きのリスクを減らしていくといいです。
定額取り崩し法でいつまで資産が残るか試算する
分かりやすいのが定額取り崩しです。年金が足りない分を毎月○万円など一定額を取り崩していくことです。
今インフレなので物の値段が上がっていきますので、貯金では目減りしてしまいますから、投資や運用は続けるべきです。
12年間毎月5万円ずつ積立投資をしていくといくらになる?
例えば58歳の方が70歳まで働いていくと想定すると、12年間毎月5万円ずつ積立投資をしていくと計算します。7.2%で運用ができるとすると、70歳の時にはこれで1138万円になります。
夫婦でそれぞれやっていけば、合計で2200万円になります。
70歳から毎月10万円ずつ取り崩していくと、何年もつ?
そして70歳から毎月10万円ずつ取り崩していくと考えましょう。そして100引く年齢で株式比率を減らしていくと考えましょう。
例えばその後の運用は年利2%で運用すると計算していくと、緩やかなカーブを描いていてなんと24年間(94歳まで)、毎月10万円の取り崩して行けます。
もし運用しないと資産は82歳でなくなってしまいます。
全然違いますよね。資産寿命がそれだけ延びます。
たった2%の利回りでも資産寿命が2倍ぐらい伸びるんですね。
自分のリスク許容度をチェックする
リスク許容度をチェックしましょう。
- 年齢は50歳未満かどうか、
- 毎月生計を立てられる安定した収入があるかどうか、
- 月収の6か月分、資産があるかどうか、
- 5年以上の投資経験があるかどうか、
- 株式市場が50%下がっても投資を続けるかどうか。
リスク許容度が0から2つ該当している場合にはリスク許容度が小さいので、基本、貯金中心で少額で投資を始めてみるのはいいでしょう。
3つから4つの場合には、預金を持ちながら積立投資枠をフル活用しましょう。120万円の積立投資枠ですね。
そして、もしも5つ該当するという方は、リスク許容度は一番大きいので、新任者の積立投資枠の他に成長投資枠を使って投資信託へ投資してもいいかもしれません。
自分のライフスタイルにあった投資のやり方が重要
自分のライフスタイルにあった投資のやり方でやるのは重要です。「完璧な計画を夢見ることは良い計画の最大の敵だ」という名言があります。ボーグルさんという経済学者の名言です。実際には完璧だと思っていても、実際にはうまくいかないことがほとんどです。リターンは少し下がるが安定したプランを考えること。プランも年齢に応じて変わっていきますよね。そういった状況に合わせて冷製に対応していくことが重要です。